2023年2月27日(月)・28日(火)、個人的に「City-Tech.Tokyo(シティテック東京)」というカンファレンスに参加してきました。
City-Tech.Tokyoとは
City-Tech.Tokyoは、スタートアップとのオープンイノベーションを通じて、持続可能な都市を実現するための、世界最大規模のシティテックイベントです。都市課題を乗り越え、新たな都市像を創り出すための多彩なアイデアやテクノロジーについて、国内外からの参加者により、セミナー、展示、商談会などが展開されます。
オープンイノベーションとは
オープンイノベーションについて調べてみました。言葉のまま、イノベーションをオープンにしていく、ということを指すようです。
オープンイノベーションはハーバード大学経営大学院の教授だったヘンリー・チェスブロウ(英語版)によって提唱された概念で、組織内部のイノベーションを促進するため、企業の内部と外部との技術やアイデアの流動性を高め、組織内で創出されたイノベーションをさらに組織外に展開するイノベーションモデルをいう。
引用:Wikipedia
要約
要は、これからの「Tokyo」の都市づくりを、これまでの国や政府のクローズマインドで行うのではなく、国内外のスタートアップなどが持つ新技術などを積極的に取り入れるオープンマインドで、イノベーションを起こそうとする東京都の取り組み、と理解しました。
会場の様子
会場は東京国際フォーラムでして、当社の東京オフィスから徒歩10分と近く、天気に恵まれたのもあり、業務や会議の合間で会場に向かえました(1日目は会社と会場を二往復しました)。
会場風景です。会場周辺は、緑色のストラップで首にパスかけている関係者に外国人が多いことが印象的でした。その昔に、アメリカのテキサス州で行われている「SXSW(サウス・バイ・サウスウエスト)」というイベントに参加する機会があったのですが、それを思い出させる雰囲気でした。東京という街が、いかに日本以外の外国からも期待されているのかを伺えました。
メインテーマ
公式サイトによると、メインテーマは下記に分類されておりました。技術の範囲は、デジタルに限らないようです。
- Infrastructure × City-Tech
- Environment × City-Tech
- Living × City-Tech
- Culture × City-Tech
Infrastructure × City-Tech
- 先端技術を生かし、安全・安心、レジリエントな都市インフラを実現
- 正確・安全な交通機関と、新しいモビリティによる都市内の短距離移動の利便性向上
Environment × City-Tech
- エネルギーの生産・消費システム再構築による脱炭素社会・循環型社会の実現
- 次世代食品の開発、フードロスの削減等による食料の安定供給
Living × City-Tech
- 子供から高齢者まで、誰もが快適に、いきいき生活するための支援の充実
- 金融分野などでの先端技術の活用により、人々の生活利便性の向上
Culture × City-Tech
- 都市が本来持つ伝統的な文化と先端技術の組み合わせによる新たなエンターテインメント性の創出、都市の魅力の再発見
プログラム
2日間に渡って、最大3つのホールで開催される各セッションと、オープニング・クロージングでキーノート(基調講演)が開催されていました。
その中から、印象深かった2つのセッションをご紹介します。
- 日本のスタートアップ政策 – エコシステム形成に向けた具体策 –
- 行政が変わることのインパクト
日本のスタートアップ政策 – エコシステム形成に向けた具体策 –
日本政府は2022年をスタートアップ創出元年と位置付け、「スタートアップ育成5か年計画」を策定した。スタートアップ育成では世界に後れを取る日本だが、人材、資金供給、オープンイノベーションの観点から具体策を講じ、エコシステムの形成を促進する狙いだ。岸田政権が掲げる「新しい資本主義」をリードする後藤スタートアップ担当大臣と、日本経済団体連合会の南場副会長が登壇。それぞれが自らの言葉で、日本のスタートアップ育成に向けた課題と政策を語る。
- 後藤 茂之:
Minister in charge of Economic Revitalization Minister in charge of New Capitalism Minister in charge of Startups- 南場 智子:
Founder/Executive Chairman at DeNA Co., Ltd.引用:セッション
感想
最近、ちょうど「コトに向かう」についての南場さんの記事を読んだところだったので、本セッションのテーマというより南場さんのトーク内容に興味があり、現地に向かいました。
…
が、なんと満席でホールに入場すらさせてもらえず。立ち見は覚悟していたのですが、そんなレベルではありませんでした。私と同様に、受付で断られている参加者が続いていましたので、人気のセッションだったことが伺えました。残念ですが諦めるほかありませんでした。
行政が変わることのインパクト
「非効率的」、「手が届かない」。これらは、政府に対してしばしば抱かれる先入観である。もしかしたら、これが政府を望ましくないビジネスパートナーにしている原因かもしれない。
「破壊者」「革新者」。東京都は、スタートアップ企業を、成長を促進し、私たちの日常生活の細部にまで変化をもたらすチャレンジャーと位置づけています。
パートナーとしては好ましくないが、政府は様々なレベルで、私たちを新しい時代へと導くスタートアップの挑戦を支援するため、変革に取り組んでいる。しかし、なぜ今なのか?この変化はどのようなものであるべきなのだろうか?日本のスタートアップコミュニティにどのような利益をもたらすのでしょうか?そして、どのような社会経済的インパクトが期待できるのでしょうか?
本セッションでは、政策担当者をお招きし、政府の変革の事例を発表していただきます。東京に拠点を置く国際的なスタートアップ企業やベンチャーキャピタリストと共に、議論に参加し、あなたの意見を聞かせてください。
- 宮坂 学:
Vice Governor of Tokyo- 石井 芳明:
Director at Startup and New Business Promotion Office of Ministry of Economy, Trade and Industry- 頼 嘉満:
Managing Partner at UB Ventures. Inc.- Jordan Fisher:
Co-Founder/Executive Chairman at Zehitomo Inc.引用:セッション
感想
こちらは、前項のセッションより小規模なステージでのセッションだったのですが、無事に聴講できました。
今回、本カンファレンスに参加しようと思ったきっかけは、登壇者の一人である宮坂 学さん(東京副都知事)にあります。先日に参加した別のカンファレンス「BACKSTAGE」に宮坂さんが登壇されており、そこで本カンファレンスの存在を知り、興味を持ったためです。宮坂さんは1997年に設立2年目のヤフー株式会社に入社し、2012年に代表取締役社長・2018年に取締役会長を歴任された方で、本セッションのテーマというより宮坂さんのトーク内容に興味がありました。
本セッションで記憶に残ったのは「いかに優秀な人材を生み出し調達するか」という課題でした。それに対して、経済産業省の石井 芳明さんから「対策の一つとしてスキリング施策の推進をしている」との発言があり、当社が20年以上運営してきたIT人材育成事業が社会貢献できている部分だな、と嬉しく思いました。
イベントの情報
City-Tech.Tokyo(シティテック東京)
- ウェブサイト(city-tech.tokyo)
- Twitterアカウント(CityTechTokyo)
- Facebookページ(CityTechTokyo)
- LinkedInページ(city-tech-tokyo-official-account)
会場の情報
東京国際フォーラム
首都東京の中心・丸の内に位置するコンベンション&アートセンター「東京国際フォーラム」は、大小8つのホール、31の会議室、ガラス棟、緑が清々しい地上広場、ショップ、レストラン、美術館などから構成され、年間約2千3百万人が行きかう都心型MICE施設です。個性豊かなホールや会議室等では、国際会議、式典、学会、展示会、コンサート、ミュージカル、ファッションショーなど、幅広いジャンルのイベントが年間約4千件開催され、様々な人々が集い、交流し、多様性に満ちた文化と情報を発信しています。
東京国際フォーラムは、建築物としても高く評価され、東京を代表するランドマークの一つになっています。シンボリックなガラスのアトリウム「ガラス棟」、館内随所に設置されたアートワークなど建物や施設にも見どころが多く、イベントの参加者だけでなく、ふらっとお立ち寄になられた方も含め、ご来館いただく全ての方にお楽しみいただける魅力に溢れています。
引用:東京国際フォーラムとは