文化部室雑談とは
文化部室雑談では、当社の社員が観聴きした映画や音楽や芝居などの娯楽文化を週一くらいのペースでご紹介しています。(本記事は社員限定のウェブ社内報で配信している投稿を、社外向けにリライトしたものです。)
レッド・ロケット(2021年)
ショーン・ベイカー監督の長編映画新作です。前作のフロリダ・プロジェクト 真夏の魔法(2017年)が素晴らしかったのですが、それからだいぶ待たされました。フロリダ・プロジェクトは、ディズニー・ワールドと貧困の子供たちのコントラストを描いた重めのテーマでしたが、その映像は郊外の枯燥な風景をカラフルに彩っていて、とても印象的でした。
本作、その風景にその彩を加えた質感の映像は相変わらず健在です。メリーに首ったけ(1999年)のような楽しさが全体を覆っています。そのコメディを構成している各々の演出から、今泉力哉監督を連想してしまった私なのですが、我ながら意外な連想です。フロリダ・プロジェクトとは全く違うテーマの本作ですが、最後まで観終わってみると何故だが同じ後味を覚えました。
ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー(2023年)
皆さんは、この空前の世界的大ヒット映画をもうご覧になりましたでしょうか。えー、ゲームキャラのファミリー層向け娯楽作品かよ、観るわけねーだろ、とか思った人はとてつもなく損をしています。大ヒット中の映画で、これから観に行く方も多いでしょうから、あまり多くを書くのを控えたいのですが、私は下記のように思いながら観続けて、その高すぎる完成度に感動し、エンドロールで泣いてしまったのでした。
- マリオカートはマッドマックス 怒りのデス・ロード(2015年)に匹敵
- べたべたの典型的80年代ヒット曲を劇伴採用しているのにダサいと感じない
- アニャ・テイラー=ジョイのピーチ姫は痺れた
- 8ビット4ポートのゲーム音楽と仰々しい映画音楽のミックスアップがステキ
了