文化部室雑談とは
文化部室雑談では、当社の社員が観聴きした映画や音楽や芝居などの娯楽文化を週一くらいのペースでご紹介しています。(本記事は社員限定のウェブ社内報で配信している投稿を、社外向けにリライトしたものです。)
既に公開中の映画
既に公開中で、現在も映画館で観られる映画の紹介です。
ザ・ホエール(2022年)
本作は、重度の肥満で最期間近の主人公が、彼の住まいに代わる代わる訪れる登場人物の各々と、対話を繰り返す様子が描かれています。悲壮感に覆われた描写が根底にあるのですが、主人公は、そこに僅かばかりの楽観性を度々持ち込もうとします。しかし、それがあっさりと対話の狭間に潰されてしまう。いやむしろ、その楽観性を咎められることすらあります。
この設定、何かに似ていると思いました。これって、バーテンダー(もしくはスナックのママ)と飲み客の関係に似ていないでしょうか。愚痴のような会話を肴に酒を飲む、つまり、くだをまきにくる飲み客と対話するバーテンダーは、本作の主人公にそっくりです。もちろん、その悲壮感までは似ていないのですが。
search #サーチ2(2023年)
映像のベタ手法になった感があるデスクトップ演出。それが流行りはじめた頃、本シリーズ前作(2018年)を観ました。そこから数年ぶりのシリーズ2作目でしたが、今回も飽きずに楽しめました。デスクトップ演出縛りという制約をわざわざ自らに課して、演出アイデア大喜利をやっているようなものだと思うのですが、いまだ大外しせずにいるのは感心してしまいます。
少し前に、別れる決心(2022年)を観たのですが、そちらでもデスクトップ演出が使われていました。それらは、スマホの中から作品を覗き見ているようなウィンドウがかっこいいのですが、本作なんて、言わば全編がそれみたいなものです。ポイントで効果的に、片や振り切って全編がそう、この散りばめ差異によって、同じ手法でも体感がまるで違う、というのは面白い気づきです。
了
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